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こんにちは! 天狗宇です!
今回は超熱いジャズ漫画『BLUE GIANT(ブルージャイアント)』の書評レビューを行っていきたいと思います。
『BLUE GIANT』は男子高校生の主人公・宮本大(みやもとだい)がジャズに魅せられて『テナーサックス』にハマり、世界一のサックスプレーヤーを目指して活躍していく物語です。
『音楽漫画ってどうせ地味じゃないの~?』と仰るかたが多いと思いますが…
その考えは甘い!!
ブルージャイアントはすごく面白い!!
良い意味で一般的な『予想』をはるかに超えたクオリティで描かれていきます。
音楽、ジャズに対してひたすら純粋な気持ちで向き合い、無我夢中でテナーサックスの練習を行っていく主人公の様子、立ち塞がる壁を前にしても、強い意志で身体ごとぶつかっていく様子が面白いんです!
ひとつのことに無我夢中になることの美しさ、真っ直ぐでキラキラとした思い、地元から上京していく過程など、見所がたくさんある漫画ですよ。
『BLUE GIANT』は数々の賞も受賞しています。
- マンガ大賞2016 第3位を獲得
- 2017年に第62回『小学館漫画賞』
- 第20回文化庁メディア芸術祭漫画部門の大賞を受賞
受賞歴を見ると高い評価を受けているのがわかりますね。
読んでいてワクワクする、青春を味わえる超熱い情熱的な『ジャズ漫画』作品になっていますよ。
目次
BLUE GIANT(ブルージャイアント)のストーリー
夢を追いかける決意をした熱い青春時代を描く『高校編』
宮城県仙台市に住む高校生の大は『バスケ』に打ち込むも敗退、将来何をすれば良いか分からないまま時間を過ごしていた。
そんなときピアノを趣味にしていた友人・遠藤周平からジャズCDを勧められる。ジャズに興味を持った大は、周平とともにジャズライブへ行きます。
これをきっかけに大はジャズの世界に惹かれていくことになるのですが、このジャズとの出会いのきっかけの『描き方』が素晴らしい!
好きなアーティストが居るかたに思い出して欲しいのですが…
初めてそのアーティストの音楽を聴いたとき衝撃や興奮を覚えませんでしたか?
大がジャズライブに足を踏み入れ、初めて生のジャズを知ったときの描写がまさにその通りなんです。
好きなアーティストの音楽、初めて知ったときの音楽を漫画で見事に描いており、本当に『音』が聴こえるかのような迫力あるジャズを感じることができますよ。
音楽漫画は『効果音』や『擬音』の演出が多いですが、驚くべきことにブルージャイアントは描写で勝負しています。
登場人物の表情、迫力ある演出、マンガの可能性を極限に引き出しているのが凄いですね。まっすぐな『宮本大』の想い、真剣な気持ちがマンガを通して伝わってくるのが面白いです。
主人公にジャズを知るきっかけを与えた周平ですが、医者を目指すために音楽をやめると言います。周平のために大が想いを込めてサックスを吹くのですが、このシーンも迫力満点!
涙目になりながら医者になることを誓った周平。序盤では本当に熱い『10代の青春』を描いてくれています。
徐々に音楽への想いが周りへと伝わり、周囲が理解を示していく様子も読みごたえがありますよ。
独りでひたむきに河原で吹き続けてきた大ですが、そんな彼の前に『お前の音は人を圧倒する』と指導を行ってくれる男性が現れます。
ただやみくもに吹くだけでなく音楽を理論的に理解し始め、成長していく姿が描かれる様子は、読んでいるこちらも熱くなれますね。
仙台市を舞台にした石塚さんと担当編集者のこだわり
舞台が仙台市なのは、作者である石塚さんの担当編集者が仙台出身であること。実際に現地へ出向いての取材を行っていたことから設定したと語っています。
ジャズフェスティバルを取材した際に『ジャズの土壌は仙台にある』と感じたことも語られていますね。
主人公の大が練習していた『広瀬川』のほか、ライブハウスも実在した箱をモデルにしています。
作者と編集者のこだわりが、漫画の中でしっかりと生かされているのは素晴らしいです。
自らの意志を貫き訪れた『上京編』
育った町を出て上京する決意をした大は、家族、友達、師匠らに別れを告げます。
未熟な少年が夢を持ち大人になろうとする姿、みんなの強い思いとともに送り出される様子は、まさに青春ドラマ風ですね。
上京後もひとりで練習を続ける大ですが、同い年の『凄腕ピアニスト・沢辺雪祈』と出会うなど、新たな登場人物との人間模様も描かれていきますよ。
のちに『18トリオ』を結成しライブを行うのですが…
ああ!!これ以上『上京編』に関してはもう書けない!!
壁にぶつかりながら立ち向かう、熱い姿をぜひ漫画で確認してください!!
BLUE GIANT(ブルージャイアント)の高い評価と見所
『音が聴こえる』迫力ある描写!
いい加減しつこいよ!と言われそうですが、やはり一番の魅力は『音が聴こえる』かのような迫力ある描写ですね。
1巻を読んだとき本当に凄いと思いました。
ただ、私は色んなマンガを読んできたので『描写が凄いけど今後も同じような魅せ方やワンパターン化するんじゃないか…』と正直なところ心配していました。
でもそれは失礼な考えであったと思い知らされます。
作者である石塚さんの画力が半端ないんですよね。ありとあらゆる描き方のほか、登場人物の表情、感情の魅せ方もすごく惹き込まれるんです。
世界観に底力があり、飽きずに一気読みできる面白さを誇っていますよ。
ヘコたれない真っ直ぐな思いを持った『大』の意思の強さ
楽器店の店長に気に入られた大は、年上のバンドメンバーに混ざりゲストとして初めてお客さんの前で吹くことになります。
思いっきり好きなように吹く彼ですが、年配のお客さんから『うるさい!』と一喝されてしまいます。
『今日はもういいよ』
そうたしなめられつつ、ヴォーカル女性の皮肉めいた発言を耳にしながら、魂が抜けた状態のまま退室していきます。
え…? このまま一旦闇落ちするのか…?
そう思わせるくらい暗い様子で描かれますが、最後には『屁でもねぇや』とまた独りで吹き始めることに。
へこたれることなく夢中になる大の姿は『また何かやらかしてくれそうだな~』という期待感を持たせてくれますね。
漫画の巻末にあるインタビュー形式の描写の意味は?
漫画を読み終える際にインタビュー形式の描写があります。
大のことを語る彼らの姿は、明らかに過去のことを指しながら話しており、時系列がことなるのが分かります。
これはどう見ても『将来大物』になるってことですよね。この一味違う魅せ方が良いんですよね~。
1巻の締め方としても上手いのでぜひ手に取って欲しいです。
芸能人の有吉弘行さんも絶賛!
有吉弘行さんは、後輩芸人のタイムマシーン3号・関太さんから誕生日プレゼントに『ブルージャイアント』の1~3巻をもらいます。
読み始めた有吉さんは『これは面白い』と全巻まとめ買いしたことをラジオ番組で語っています。番組内で語るとはよっぽど気に行ったんだと思いますよ。
1冊読んだら面白さが伝わるのは凄いですね。
青臭さが残る高校生時代から、徐々に成長していく大の物語、世界一のサックスプレーヤーを目指していく姿をぜひ見届けてください。
続編にあたる『BLUE GIANT SUPREME(ミュンヘン編)』も発売中
BLUE GIANTは全10巻で完結していますが、続編にあたる『BLUE GIANT SUPREME(ブルージャイアント シュプリーム)』も発売されています。
こちらは日本を飛び出して単身でドイツに来た大を描いた物語です。
サックスを吹こうとしたら警官に呼び止められるなど、初めてのドイツで悪戦苦闘しながら懸命に頑張る大。
現地での活動を支えてくれる友人との出会いなど、彼の新たな舞台が築かれていきますよ。
国籍も違えば個性も異なる人物たちとの出会いは必見です。『まだ引き出しがあるのか』と驚きすら覚えると思います。
まだ読んでいない方は続編の『BLUE GIANT SUPREME』もチェックしてみてください。
BLUE GIANT(ブルージャイアント)レビューのまとめ
今回は熱きジャズ漫画『BLUE GIANT』をご紹介させて頂きました。
一生懸命な主人公の姿は『少年漫画』っぽさがありますが、世界観は完全な『大人向け』であるとも言えます。
熱血的なマンガが好き、青春時代の懐かしさを感じたいなど、音楽漫画が好きな方にはぜひ手に取って欲しい名作ジャズ漫画ですね。
心から熱くなれる『音が聴こえる』作品ですよ。
まずは1巻だけでも手に取ってみて欲しいですね。マンガに関連する人気記事もどうぞ。